TOPICS
ビートたけしのTVタックルにVTR出演しました
2018.06.17
平成30年6月10日放送の「ビートたけしのTVタックル」にVTR出演しました。
いわゆる、インターネットを通じた特殊詐欺事件につき、実際に詐欺を行う側がいかなる手段を用いて人を騙そうとするのか、検証する内容のコーナーで、約2年半前から半年に1度程度の頻度で出演させていただいています。
今回の放送では、インターネット検索大手企業の法務部から、アダルトサイトの管理者が当方に対し、サイト利用料金の支払いを求める民事訴訟を提起したとの連絡を受けました。その後、同大手企業の顧問弁護士を名乗る人物が、「現在訴状審査中である」「手続きを止めるには弁済供託金制度を利用する必要がある」などと、それらしいことを言いながら、最終的には裁判所の供託課の銀行口座に金銭を振り込ませようとしました。その際に、口座名義について何も説明がなかったことから、確認してみると、仮想通貨の取引所を運営する法人名義でした。送金を指示する際に、弁護士を名乗る人物は、送金名義人を特定の人物にすること、姓と名の間、及び名の後ろにそれぞれスペースを入れ、最後に「識別番号」として、6桁の数字を入力するように指示しました。あとから調べたところ、これは、銀行経由で仮想通貨の口座に金銭を送金する際の手順でした。
本件では、「訴状審査」「弁済供託」等、実際に存在する制度(ただし、「弁済供託」については、内容の説明が異なりました。)を用いている点に特色があるように感じました。仮に騙される側がこれらの制度をインターネット検索した場合、少なくともこれらの用語自体は裁判所のホームページ等でヒットするものと思われます。それだけで信用して、金銭を送金してしまう人が一定程度いるのではないかと思いました。
訴状は、裁判所から被告に特別送達されるものであり、それ以外の方法による訴訟提起の連絡は通常あり得ません。訴状が来た段階で弁護士に相談をすれば十分間に合いますから、焦って送金せずに、実在する弁護士に相談するなり、警察に相談するなりしてください。また、本件に限らずですが、民事事件に弁護士と称する人物が介入してくることがままあります。そのような場合は、日本弁護士連合会が提供する「弁護士検索」(https://www.bengoshikai.jp/)を用いて、実在する弁護士か確認してください。
詐取された金銭は、詐欺の実行者の利益となり、これを用いることで新たな被害が生まれます。求められてすぐに支払わなくても、すぐにどうこうなるものではありません。慎重に対応してください。