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【虚偽情報拡散事件】元豊田市議のデイリー新潮の取材における発言について

2019.11.15

 本日、デイリー新潮から、元豊田市議(以下「元市議」といいます。)のインタビュー内容に関する記事が公表されました。同記事内における元市議の発言には女性被害者として看過することができない内容が含まれていますので、以下、それぞれについて意見を述べます。

 

1 和解が成立しなかった理由について

  同記事によると、訴訟前に和解が成立しなかったことについて、元市議は、「(慰謝料を)払いませんと言ったからです」と述べたとのことですが、当方の認識とは異なります。和解が成立しなかった理由は、慰謝料について検討すると連絡のあった令和元年9月13日以降、同月27日の当職からの回答の催促にもかかわらず、同年10月21日まで、元市議から何の連絡もなかったからです。

  当方としては、元市議のこのような対応から、元市議には話合いによる解決をする意思がないと考え、同年10月21日に東京簡易裁判所に訴状を提出しました。なお、訴状を提出した直後に元市議から2通目の手紙が届き、その手紙には確かに高額の慰謝料を支払う意向はないとの趣旨の記載がありました。しかし、当方の請求は高額であるが、いくらなら支払うといった対案の記載はなかったため、結局のところゼロ回答であると理解し、提出した訴状を取り下げることはしませんでした。

 

2 最初に情報を流した人物が表に出て謝罪をしていないのだから元市議が支払う必要がないとの発言について

  本件において、最初に情報を流した人物と、これを拡散した人物の行為が、単独不法行為と評価されるか共同不法行為と評価されるかは問題になり得ますが(当方は、個々の拡散行為はそれぞれが女性被害者に対する単独の不法行為となると考えます)、いずれの法律構成を取ったとしても、上記発言内容は当方の主張に対する抗弁にはなり得ません。共同不法行為の場合は最初に情報を流した人物との連帯責任となるので、女性被害者としてはどちらに対して請求しても構いませんし、単独不法行為の場合は女性被害者の請求と最初に情報を流した人物とは無関係だからです。

 

3 最初に情報を流した人物と女性被害者がつながっているとの仮定の発言をしたことについて

  元市議は、仮定の話と断りを入れたうえで、最初に情報を流した人物と女性被害者がつながっていたとしたら、新手の振込詐欺であるとの発言をしたとのことです。

  まず、女性被害者が最初に情報を流した人物とつながっている事実など断じてありません。

  次に、女性被害者からの請求について意見を述べる際に、このような仮定の話しを持ち出す必要がどこにあるのか極めて疑問です。たとえ仮定の話であっても、このような考えが公になることにより、その内容に納得してしまい、女性被害者に対する疑いを持つ人物が現れる可能性もあります。そのような疑いを持たれることは、女性被害者にさらなる被害をもたらすことになります。

  必要性もないのにあえてこのような仮定の話を持ち出す理由は、上記のような疑いの目を女性被害者に向けさせることにより、元市議の被害者としての立場を強調する意図があったから、あるいは近時の一連の報道等により議員辞職をせざるを得なくなったことについて、女性被害者に対する意趣返しの意図があったからだと考えざるを得ません。

 

4 女性被害者の請求がある種の恐喝であるとの発言をしたことについて

  前記2のとおり、本件において女性被害者が元市議に対し請求をするか否かは女性被害者の自由であり、仮に女性被害者が元市議のみに対して慰謝料の請求をしたとしても、そのことを理由に恐喝が成立することなどあり得ないことです。

 

5 元市議が最も肩書のある人物だから請求をしたとの趣旨の発言について

  元市議に対して請求をした理由は、Facebookの実名アカウントで記事を投稿しており、しかも豊田市議会のホームページ上に連絡先の記載もされていたことから、発信者の特定に関する手続をする必要がなかったからです。単に早く特定できたので早く請求したに過ぎません。

  また、既に公表しているとおり、元市議に対し訴訟提起するよりも前に、既に複数人との間で和解が成立しており、一定額の和解金の支払いも受けています。元市議に対してのみ請求をしている訳ではありません。なお、今後特定できた発信者に対して個別に責任追及をしていく予定であることは、虚偽情報が流された当初から公にしていることです。

 

6 まとめ

  以上のとおり、デイリー新潮の記事に記載された元市議の発言内容は、事実上、法律上の問題点を含むものであり、さらには女性被害者について事実無根の疑惑を招きかねないものであって、到底看過することができません。今後、万一同趣旨の発言が、公にされた場合は、都度抗議する所存です。

以上